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“ちいおり”に暮らして -Moments at Chiiori- 

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2010年 04月 01日

この前は箱、今日はバスケット。

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今日はお弁当箱じゃなくて、サンドウィッチバスケット。
先週、お客様が見えて、昼食をご用意したときは祖谷の素材を使った和食でした。

今回は、外国人のツアーってことで、サンドウィッチをご用意しました。

(※写真は、お客さんが帰ったあと、スタッフが同じサンドウィッチを試食する様子。お客さんあいてに、きわどいアングルで何枚も撮影するわけにもいきませんので。)


確かに、日本人だったら、山に来るのに海の幸を楽しみにしている人はまずいない。
祖谷だったら、祖谷の郷土料理なんかを期待してくる。
でも、外国人となると少し事情が違う。もちろん、日本に来るからには、おいしい日本食だって、彼らの目的の「一つ」ではある。しかし、一般的に外国から来る以上、旅の行程も国内旅行者より長くならざるを得ないし、その長い間は食事のスタイル自体が普段と全く異なってしまうことは、死活問題だ。

ところで、日本人の中高年の方々から、海外旅行の土産話を聞くと、「朝は、さすがに米と味噌汁じゃないときついな」とか、目的地の空港に着くやいなや、「機内食にうんざりして、日本食が恋しくてたまらなくなった」とか、「どこどの飯は食えたもんじゃない」とか、そんな話を聞くと、
「おいおい、あんたら何を考えて高い旅費払って海を越えてったんだい?」と、まだ、それなりに若者の部類に入っていておおよそ何でも食せる僕は、悪態をつきたくなる。

でも、よく考えてみると、皆さん正解ですよ。食ってそういうものですよね。
短い旅の中での食事なら、それは極上のエンターテインメント。
でもあくまで、食事は生理的行為。私たちの健康のため、生きるための行為です。

で、あれば、旅の食事とは言え、一日3食のうち最低でも1食、特に朝は自分に合ったスタイルの食事が必要不可欠。そして、言い換えれば、適切な、自分を支えられる食事を取れることが、その旅をより充実したものにするのではなかろうか。

旅の中で、食事はもちろん娯楽の一つであるが、大事な栄養補給の行為にも他ならない。

というふうに、旅行者、特に外国人のことを考えると、その相手に本当に来訪してほしいと思うのであれば、さらには、地元の魅力を十分に堪能して欲しいと願うのであればこそ、彼らの文化にできるだけ近い食事も提供するべきなんだろう。

今日、実際にサンドウィッチを出すまでは、長い「日本食の旅」の中でほっと一息ついて、喜んでもらえたら嬉しいなと、まあ、よくある発想であったが、彼らの本当に満足げな表情を見たり、安心した声を聞いていると、改めて、「もてなし」とはなんだろうか、「地域の魅力」とはなんだんだろうか、と考えさせられた。

最後に、この件は、観光事業者の皆さんはもちろんご承知の点ではありましょう。しかし、現実問題として、外国人向けの食事のオプションを用意するまでにはなかなかの困難があるはずです。(もちろん、すでに洋食のオプションをご用意されている施設もあり、素晴らしいと思います。)

そのような現状に対して、ちいおりという場で、微力ながら、地域の観光に対して何らかの協力ができるのかもしれないとも感じました。このブログの中では、知識も無いのに言いたい放題書かせて頂いておりますが、今後とも皆様何卒よろしくお願い申し上げます。

by torumuramatsu | 2010-04-01 00:49


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