“ちいおり”に暮らして -Moments at Chiiori- 

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カテゴリ:Trip 旅( 5 )


2010年 04月 13日

上海リポート 最終

さて、ずいぶんのびのびになってしまったが、上海旅行のリポートを締めたい。
3月22日最後の夜と、あいにくの雨模様だったが、23日午前中の様子。

3月22日、午前中は大手日系旅行会社を訪問、午後は現地のエージェントに徳島のPR、という助スケジュール。予想はしていたものの、現実はなかなかに厳しい。というか、手強い。大阪のおばちゃん異常に、価格至上主義一辺倒で、押し通される。志向も、彼らは買い物メインの金ぴかツアーだ。著しい経済成長とは反対に、庶民の余暇の過ごし方に対する価値観については、もう少し先の話にしたほうが良いのかもしれない。それでも、温泉は日本が世界に誇る、自然資源。手強い中国人エージェントのおっさんも、首を縦に振った。
まあ、なんとか現地のエージェントと接触し、志向を確かめられただけでも、この日の成果だろう。

そして、最後の晩餐。この旅の中で一番おいしかったかな、この食事が。
ところで、一度も食事について大々的に取り上げながったが、どうしても食事の時に写真を撮るのが得意でない。両立ができない。カメラを持てば、肝心のできたての味を楽しむことができないし、食べる際には他のことに気を取られたくない。よっぽどのことがないと、基本的に食すことに徹したいので、ご勘弁を。ただの食い意地です。

そうだ、一つだけ記憶に残る、皿があった。
なんか、アロワナみたいな魚。僕のそんな表現にみんな引いていたが、味は鯖の煮付けそのものだった。何の魚だろう。。。


さあ、最後の晩餐も終わった。ちょっとだけできた、夜の時間。上海事情に詳しい、大歩危の盟主が僕らを案内してくれた。初めて上海に来たからには、見ておかなくてはならない夜があった。

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豫園商城。

四川布政使(四川省長にあたる)の役人であった潘允端が、刑部尚書だった父の潘恩のために贈った庭園で、1559年(嘉靖38年)から1577年(万暦5年)の18年の歳月を費やし造営された。
1956年、西園の約半分を庭園として改修整備し現在の豫園となる。残りの部分が豫園商城となる。
wikipedia より

豫園商城もそもそも、歴史のあるものだが、あとで紹介する庭園部分の豫園とは、今では立場は全く異なる。
豫園商城は言ってみれば、お土産街。古い建物も綺麗に保存されて、ご覧のとおりのイルミネーション。ここまでできれば、立派な観光名所。圧倒される。光ってすごいな〜と思う。闇の中に、これだけ幻想的かつ、華やかに対象を演出できるんだから。
夜がこれだけ印象的だと、昼間はホントにただの土産物屋の連なりにしか見えない。是非、豫園商城の夜をご覧頂きたい。

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ご覧のとおり、スターバックスコーヒーも入ってます。
これを見れば、説明しなくてもどれだか繁盛してる場所か、どれだけ現代化されてる部分かはわかると思う。
それにしても、もはや世の中にスタバがなじまない文化って無いんじゃないかって思うほど、自然に何処にでもある。それでいてコーヒースタンドとして総合的にハイセンスだから、スタバがあることでその場のセンスがある程度保証されているようにも思えし、場の雰囲気が締まるように思う。

このロゴこそ、ユニバーサルデザインじゃないか。


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さあ、最終日。昨夜と同じ場所に戻ってきた。
今日は、豫園たる豫園。ここは、入場料を払わないと入れない。

ジグザグの廊下にも馴染んできた。中国デザインの特徴を捉え始めた。


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蘇州の庭園にもよくあった、この岩。太湖石。
一枚岩じゃなくて、小さいピースを組み合わせてこういう表現をしているらしい。
これは、雲の上を表現してるんだとか。


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最後になりましたが、食のイメージを一つ。

小籠包の本家を名乗る名店。南翔饅頭店。
蒸籠の塔に囲まれて、職人たちが人間離れした手つきで、肉を詰め続ける。


そして、このあとお茶屋さんによって、中国茶のデモンストレーションを目の当たりにしたら、
あとはバスに乗って、空港へ。飛行機に乗れば機内食を食べたかと思うと、もう着陸態勢。あっという間に徳島空港に降り立った。

「すごく近かったんだ。」まずそう思った。

久々の海外。初めてのアジアの他の国。文化は近いけど、言葉は一切分からない。生活水準の差。モラルの差。生命力の差。いろんな、刺激があったり、親近感があったり。

今こうして振り返ると、不思議とこう思う。一度住んでみたい。

もちろん、上海という中国で最も豊かな部分を快適な切り口でしか見ることはなかったこの旅だが、今まで未知の領域だった中国という世界の扉を少しだけだが開ける機会を頂けたことにはすごく感謝している。今後も、機会があればできる限り、海の外へ出かけて行きたいし、住んでみたい。同時に、同じことは日本国内でも言える。いろんな地方に行ってみたい住んでみたい。
そうすることで、気づかないうちに、自分の今腰を据えている場所のあり方をより冷静に見つめられることとも思う。
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by torumuramatsu | 2010-04-13 20:05 | Trip 旅
2010年 04月 03日

上海リポート 二日目、3月21日 @蘇州

さあ、長いですね、3月21日のリポートが。
僕の投稿がのんびりしてるのかどうなのか。。。

このあたりから、時間と混雑の関係で急ぎ足に移動する時間帯でした。
ということで、少しまとめて写真を紹介します。

運河を楽しんだ後にやって来たのは、
中国歴史文化名街 平江路。

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ここも運河が通る町並み。さすがに、指定されている歴史地区とあって整備されている。
しかし、蛻の殻ではない。古い建物の中では、躊躇いなく横文字を並べて商売したりしている。
カフェがあったり、ギャラリーがあったり、怪しいフォトスタジオがあったり。

建築も、商売も、生き生きしている。

建築は古いものなのに、若い世代を受け入れている。
商売は現代のものなのに、先達に対する敬意を忘れていない。

ハード × ソフト = ∞

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地元の人たちが一息つける場所。

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観光客も、地元の若者も、同じように時を過ごせる場所。

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シュルレアリスム。

個人的に僕はこういう景色が好きでたまらない。内向的すぎるんだろうか。
少し脱線するが、多くの人は秋に紅葉を楽しむ。でも、僕はその落ち葉だったり、剥き出しになった木々の枝がセクシーでたまらない。

消して綺麗とは言えないのかもしれない。一般的に美しいとは言わないのかもしれない。
でも僕は、こんな壊れゆく、終わりゆく風景のその瞬間に、生命を感じる。
それは、僕にとっては紛れもなく美しいも。
しかし、留めることは不可能かつ、端から僕自身望まない。

ただ、その瞬間その場に立ち会わせてもらえたら、僕は一時ある種の幸せを感じることができる。
それでいい。

さて、日も傾き始めた。ガイドが必死で手を振って、僕らをバスというゲージに追い込もうとする。

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参考までに、見てもらえるといい。
蘇州駅の中、待合所の様子。ざっくりした造り建築の床が抜けるんじゃ無いかと心配を隠せない日本人旅行者をよそに、現地の人間は目が違う。

汽車に乗り遅れたんじゃないかと勘違いした中年夫婦が、人混みの中を全開のバタフライで泳いでくる。僕らは、本当にサメでも現れたんじゃないかと、真剣に一瞬ひやりとする。

あれだけの自立心(?)を見せつけられると、日本人が平和ボケから抜け出して国際社会という野生に戻るのはもう不可能なんじゃないかとさえ思う。


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降車が終わるまでは、開く扉の脇に綺麗に列を作って待ちましょう。

そんな考え方も改めたほうがいい。
いくら日本人が口を揃えて主張したところで、対するは、人口13億。

予約席というシステムも勘違いしないほうがいい。
あなたの為に、空けてある席などあり得ない。

予約席とは、あなたに「座る権利がある」というだけのことなのだ。
他の人は座ってはいけない、などとはどこにも書いていない。
当然、150%以上の乗車率の中では、それらしい空席は見あたるはずもない。
予約席の番号を見つけたら、自らの権利を「主張」しなければならない。
ここでも、その結末は個人の責任に委ねられる。

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上海市内へ戻る新幹線。どこまでも、続く開発。
これだけ、必死に作っている未来。きっと、この工事が終わる頃には、車に変わる乗り物が空を飛んでいるんだろう。

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さあ、この日の終わりにちょっとした余興をご覧頂きたい。

中国雑伎団。マカオだったら、シルクドゥソレイユが見れたかもしれないけど、こちらもなかなか面白かった。

一番の見せ場はやっぱり、ロマンスか。
タイタニックのテーマに乗せて、男女二人が空中を舞う。
まあ、そこまでは想像通り。

そこからだ、やってくれた。レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットがタイタニック号の船首で盛り上がるあの場面がそのままスクリーンに映し出され始めた。まさに、中国のお家芸だ。金目の物は何でも、転用するあの潔さ、大胆さ。オリジナリティに対する拘りもへったくれもない。アップのハリウッド俳優二人を前にくるくる回転し続ける中国男女。背景は、少し横から見ると裏方が丸見え。そんなこと誰が知ったことか。

まさに中国文化を総なめできる一大ショーで、この日を締めくくることができた。
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by torumuramatsu | 2010-04-03 18:36 | Trip 旅
2010年 04月 02日

上海レポート 2日目、蘇州

3月21日、上海旅行2日目、つづき。
今日は、目一杯観光のスケジュールだ。
上海市街から2時間弱かけて、やってきた蘇州。東洋にベニスを呼ばれる運河の発達した古い町。
なんの予備知識もなく連れてきてもらった僕。運河といっても、乗船したところはお世辞にも興味深いとは言えない。さてさて。。。

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出港したところは、運河の幅も広めで、運河というよりは川だった。
船が徐々に進んでいくと、川縁が接近してくるのに伴って、地元の人々の生活の臭いも近づいてくる。人々の生活と、交通手段が密接に交差していたことを物語る太鼓橋をくぐって行くと、人の家の庭に入っていくような気分になってきた。

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それもそのはず、運河は道路のようなインフラであって、彼らにとっては裏庭であり、水道そのものだ。まあ、飲料水じゃないけど、洗濯なんかは運河の水を利用してきたんだな。今回も何度かおばあちゃんが洗濯しているところを目撃した。

ここのおっさんだってそうだ。100%生身の昼下がり。
ところで、こういう人たちって無形文化材そのものだよな〜。高度な伝統技術を持ってる人はそりゃ、人間国宝とかに値するわけだけど、「生活」そのもののスタイルを昔のまま行っている人こそ、リアルな文化に違いない。まして、それでまがいなりにも生活を成り立たせているんだから、一目置くべきだ。

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賛否両論なところかもしれないけど、この生活感、このおんぼろの建物が僕を惹き付ける。
いくら古い家をそのままのこしたって、外壁をぴかぴかに塗り直してたら、味も素っ気もない。
壁は、部分的に剥がれているからいい。煉瓦は、崩れかけているからいい。

ところで、次の目的地は、「綺麗でない美しさ」とでもいうものが紹介できる場所だったので、そちらでもう少し、蘊蓄を述べたい。

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船を降りると、運河沿いの裏通りを歩いた。幾分観光地の臭いがしてしまうのは、まあ、避けられないことだろう。でも、日本のそれとは違って、彼らの「生気」を感じられる。生気、所謂活気とか、元気とはまたちょっと違う。もっと、本質的な生きる意志みたいなものだろうか。

続く
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by torumuramatsu | 2010-04-02 15:17 | Trip 旅
2010年 03月 27日

上海リポート 二日目、3月21日 @蘇州

今日は上海から車で2時間ほど北西に走ったところ、蘇州にやってきた。
水運が発達した町で、今でも、運河が生活に溶け込んでいる。「東洋のベニス」と呼ばれているが、歴史はベニスより古い。街中に風流な庭園が点在する古都。


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古都にやってきたって言っておきながら、この写真。
でも、ようやく中国という実感が湧いてきた。上海は国際都市、ベースが中国ってだけで、内容的に言えばNYやロンドン、その他の Melting Pot ともはや変わらない。

最初に到着したのは、留園。世界文化遺産にも登録される中国四大庭園の一つ、清代個人庭園の代表傑作。

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ご覧のとおり、一大観光地。順路は途切れることなく人が列を成し、お互いに視界を遮りあう。
中国、四千年いや六千年の歴史、といわれても、これだけの人混みを前にすると、余韻に浸る暇がない。

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薄暗い建物の中に入ると、幾分時の流れが穏やかになる。建物を外観として見ていると、どうしてもその時代との隔たりを感じる。ところが建物の中に入ると、その建築が作り出す空気を今でも体感することができる。たぶん、僕がインテリアデザインを学んだきっかけも、内装を作りたかったんじゃなくて、内装が作り出す空気に無限のロマンを感じたからなんだろう。(余談)

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こういう、視覚的にも刺激の強い、見る対象が多く存在する場に居ると、僕は不思議と目を閉じたくなる。それは刺激が強すぎるからじゃなくて、目でばかり物体を追ってしまうことを避けたいからだと思う。

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そして、出口の正面にこんなものがある。
正直、僕は好きなんだ、こう言うのが。人間らしいじゃないか。

さて、この日は長い一日だった。この後も、数カ所回ったので、回を改めてリポートしたい。
観光と生活が、生々しく調和した景色をお楽しみ頂きたい。
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by torumuramatsu | 2010-03-27 21:55 | Trip 旅
2010年 03月 24日

上海リポート 初日、3月20日

とりあえず、真っ白で何も見えない。
どうだろう、1キロ先の景色はもうまともに見えないんじゃないか。上海の玄関口、浦東国際空港の長い動く歩道を歩きながら、横目にその印象を掴もうとしてもほぼ不可能に近い。あとで聞いた話だが、この日は記録的な黄砂だったらしい。

久々に日本を出た。といっても、頻繁に海外旅行なんかをしてきた育ちじゃない僕が言うのも可笑しい。大学生活をアメリカで過ごして帰国していらい、5年ぶりの海外。少しは、カルチャーショックを味わいたくて、あたりを見回してみる。でも、案内標識を見ても、わざわざ英語を読むより、日本のそれと微妙に違うだけの漢字の方がやっぱりすんなり目に入ってくる。逆に、見たことも無い漢字でも読めそうな気がして、無意識にイマジネーションを働かせてしまう。

さてさて、入国した。初、中国。
スタイリッシュな中国美女のグランドホステスを探して目を細めてしまう悲しい性。
中国に来ても、みんなに勧められるのは「婚活」。気づけば僕も、とっくにそういう年頃だ。

入国審査を済ませると、出迎えの人並みの中に、歪なひらがな混じりのサインを持ったキュートなチャイニーズガールを発見する。いささか、怪しい。結構上手に日本語を話す彼女がこの旅のかわいい写真屋さん。最終日に、法外な値段で集合写真を売りつけられるらしい。極力彼女の画角に入らないよう努めたい。

さあ、市内へ向けて移動に移ろう。空港からリニアモーターカーに乗り込む。
リニアモーターカー、、、もうすでに存在してたんだ、この世の中に。まして中国に。

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世界最速の商用陸上移動。乗車時間、7分数十秒。みるみる加速する。思ったより振動はある。
浮いているという感覚はない。ゴリゴリというハードな乗車感は新幹線のそれとほぼ変わらない。ただ、速度は、およそ2倍。最高時速431kmを記録。

でも、急加速でないわけだから、いまいちピンと来ない。飛行機の離陸時の急加速、あれほどにはエキサイトしない。それでも、431km/hという数字を見るだけで、子供心が蘇る。

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現地のバスに乗り換え、市街地へ向かう。 まずは黄浦江から対岸を眺める。ここでも、黄砂の影響で対岸の景色はほとんど見えない。輪郭をかろうじて確認できるくらいだ。目がしぱしぱするし、できるだけ呼吸をしたくない。肌や髪もがさがさする。それでも、現地のガイドは流ちょうな日本語で堂々とこう話す、「観光客の皆さんはよく黄砂だと言うんですけどね、違うんですよ。大丈夫、心配しないで良いですよ。これ上海特有の霧なんですね。そう、今朝雨が降ったからなんですね。」その夜、CNNでも、中国で黄砂が酷かったと伝えていた。

外資系のホテルに到着。結構郊外で、周りには何もない。
夕食に向かうため再出発。40分近くかけて来た道を戻り市内へ向かう。

さあ、このあたりから、中国らしさ、カルチャーショックを味わいたい。
でも、僕の脳裏に蘇るのは懐かしさばかり。どこかで嗅いだことのある臭い。どこかで聞いたことのある喧嘩のような会話。そう、チャイナタウンだ。ボストン、ニューヨーク、サンフランシスコ、その3カ所で僕はすでに中国を疑似体験していた。ああ、中国ってこんなところかと。僕にとっては、まさにそのままだった。だから、あの何とも言えない臭いも、汚い町並みも、喧嘩腰の態度も、懐かしいばかりだった。ここは果てしなく続くチャイナタウン。そんな印象だった。

今夜のレストランも、ボストンでよく飲茶を食べたレストランに似ている。回転テーブル、青島ビール、そしてワイルドなもてなし。
「可もなく不可もなく」そんな評価をせざるを得ない初日の夕食は、1時間もしないうちに強引にチェックを渡され、追い出されそうになった。テーブルも、客も、とにかく回転させたいらしい。現地のガイドはへっちゃらだが、日本からの添乗員さんはひやひやだろう。

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さあ、お次は初日のビッグイベント。上海ナイトクルーズ。
チケットを予約済みの僕らは、すんなり乗船して、今最も景気の良いの夜景を満喫できる。
でも、ここでは少し事情が違う。
予約と言っても、1時間以上待ちぼうけを食らう、その制度。
予約の切符を受け取るにも、割り込みのライバルたちとの格闘は自己責任だ。
その戦いに苦戦した現地ガイドは、「滅多にないことなんですけどね、割り込んで来る人やら、混雑やらで、こんなに時間かかっちゃいまいしたよ。大変でしたよ。すみませんすみません。」と、いかにも慣れた素振りで頭を下げる。そこからも、黄砂とたばこの煙にまみれて待つ。予約したはずの時間は、とっくに過ぎている。7時半出航の予定でそそくさとレストランを出てきたのに、乗船したのは9時。まあ、こんなもんだろう。

乗船ゲートが開けられると、老若男女駆け出す中国人。ゲートでもすでに押し合い圧し合い状態の人間達が、さらに船の入り口に流れ込む。いったいどこを目指してるのかもわからないが、とりあえず船の中のスペースをパチンコ玉みたいに駆け回る。僕らは、近くで目に付いた椅子に潔く腰を下ろす。しばらくすると、チューリップの中に入り損ねて、失速したパチンコ玉が一息つく僕らの周りで溢れ始める。しかし、とにかくうるさい。たぶん、彼らにとって、呼吸することは喋ることとほぼ同じだろう。

そういえば、以前NYでもナイトクルーズに乗ったことがあった。そのときはディナー付きで結構洒落た一時だったが、男友達と二人で乗り込んだ事に、ある意味後悔した。しかし、今回はそんな心配には及ばない。こんなところに気合いを入れて意中の女性を誘おうもんなら即終演だ。

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吹き付ける黄砂まみれの風に身を縮める僕らをよそに、船は出航した。
夜でも、景色が霞んでる。それでも、あのCiti Bank のビルあたりから夜景が盛り上がり出した。
全面イルミネーション、なんだか大きな牛乳パックみたいだ。

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そして、ようやくこのシンボルタワー 東方明珠塔の前にやってきた。
よくいえば、スモークがかかったような雰囲気がその印象に非現実性をもたらしている。
これで、なんとか上海を認識できた。
みんなも、吹きすさぶ黄砂の風に耐えた甲斐があったと満足げだった。
僕も、必死でピントを合わせてシャッターを切った。

こうして、まずまずに、一日目は更けていった。
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by torumuramatsu | 2010-03-24 23:46 | Trip 旅