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“ちいおり”に暮らして -Moments at Chiiori- 

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2010年 01月 06日

正月の挨拶での出来事から、巡る思い

家族の里帰りも終わって、一息ついたころを見計らって、村のおじいちゃん、おばあちゃんに年始の挨拶に行った。

 今年も、よろしくお願いします

  よろしくお願いしますう〜

 元旦は、寒かったねえ?

  そうじゃの〜
  まあ、上がらんかえ?

 あ、じゃ、どもども

  まあ、お当たりぃ
  (こたつに奨めてもらう)

  お餅、食べるかえ?

 ん?いや、かまわよ、 でも、せっかく、だからちょっとだけもらってもええ?

どこの、お宅に寄らせてもらっても、こんな感じで居座らせて頂いてしまう。
さすがに、わざわざお昼どきにいく程、ずうずうしくもなれないから、普通にお昼を食べて、
昼下がりに寄るわけだけど、あ〜お昼食べなければ良かったと、毎回後悔する

往々にして、お餅はオードブル、雑煮が続いて、もうそのまま夕飯になってるじゃないの、っていうくらい、野菜やら漬け物やら出て来て、気づいたらご飯片手に持ってるなんてことも、稀なはなしじゃない。お正月に限ったことじゃないね、こういの。

ああ、申し訳ないな、と思いながら。僕自身、こういう時間がすごく心地よいものだから、ついつい長居させてもらってしまう。



ところで、僕は、祖父母と暮らす家族だった、親戚もほとんど同じ市内、だから、子供のころ、夏休みにおじいちゃん、おばあちゃんの田舎に行くなんていう友達が羨ましかった。
「田舎に行く」その言い草がなんだか都会の子っぽくて、今住んでるところは、僕と同じところなのに、あたかもその子の方が都会に住んでるような気さえした。

でも、今思うと、そんな感覚は強ち間違ってもいなかったような気がする。

住んでいる場所が近所でも、彼らは核家族、僕は大家族。言い換えれば、都会家族、田舎家族。



さて今日、社会が昔と大きく変わった点を考えるとき、実際の田舎と呼ばれる地域に住まなくなったことが注目されやすい。だが、家族の構成が変わったことにももっと注目すべきと思う。

場所について
もちろん、一般に田舎と呼ばれる地域は、山があり谷があり、農業が中心だったりと、そんな自然と寄り添う生活から学ぶことは多い。しかし、それも場所や環境という表層的、物質的要素であることに変わりはない。

家族の構成について
昔の大家族の中では、生まれて間もないころから、その家族という小さいながらも一つの社会の中で、役割を与えられ責任を負う習慣があったことと思う。同時に、一線を退いたじいちゃん、ばあちゃん、さらには、ひいじいちゃん、ひいばあちゃん、彼らが日中孫やひ孫の面倒を見る。働き手の世代は、朝から晩まで汗を流す。それは、コミュニケーションであり、言語と言う媒体の能力遥かに超えて、習わしやしきたり、哲学、そして道徳を後世に伝える最高の手段であったはずだ。そして、その触れあいから生まれる、思いやり、敬い、感謝、恩返し。生まれてから死ぬまでその家族という密接な社会の人間教育によって、育まれる。



僕も、じいちゃん、ばあちゃんと、暮らして来た。
今こうして違う場所で、客観的にその時の経験を思い出すことができる。
改めてかつての日々を紐解き、今を生きる、学ぶ、糧にしていきたい。

そんな機会を授かったことに、何より感謝致します。
ありがとうございます。

by torumuramatsu | 2010-01-06 14:58


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